こんにちは。奈良の郷土料理「柿の葉寿司」のゐざさ‐中谷本舗‐です。
さて早速ですが、最近「完全栄養食」という言葉をよく耳にしませんか?完全栄養食のインスタント麺やパンなど、コンビニに行けば、目にする機会も多いと思います。
よく目にしたり耳にしたりする「完全栄養食」ですが、実際どういう食品を指すかご存じでしょうか?
また、ちらし寿司が「完全栄養食」ってどういうことなのでしょう?
今回は「完全栄養食」やちらし寿司の栄養素などについて解説します。
完全栄養食とは?
そもそも完全栄養食とは、どういう食品のことを言うのでしょうか?
一般的には、人が健康を維持するために必要な栄養素を全て含んでいて、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」に基づき、1食あたり1日に必要な栄養素の3分の1以上摂取できる食品とされています。
その栄養素とは、エネルギー源となる三大栄養素「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」に、これらの代謝を助け、からだの調子を整える「ビタミン」13種類、生理作用の調整やからだの構成に使われる「ミネラル」13種類を加えた33種類を指します。
実はちらし寿司は完全栄養食だった!?
完全栄養食の定義を見ると、「え~そんなの難しい」「いろんな食材をとらなければ・・・」と思ってしまいますよね。
でも、実は日本には古くから「完全栄養食」と言っても過言ではない食事があるのです。
それが、海のものや山のものをふんだんに使った「ちらし寿司」です。
ちらし寿司の歴史
ちらし寿司の起源は諸説ありますが、有名なのが江戸時代の初め頃、備前岡山藩の初代藩主・池田光政が、庶民に質素倹約を命じ、お祭りごと以外では「一汁一菜」とするとしたのに反発した庶民が、魚や野菜をご飯に混ぜ込み、見た目を「一菜」とした、という説です。
ちらし寿司の歴史についてはほかの記事でも詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
江戸時代末期の書物には京都、大坂、江戸でちらし寿司が食べられていたとの記述があるので、その時代から全国で食されていたことがわかります。
ちらし寿司の特徴
日本各地に根付いた寿司文化の一つである「ちらし寿司」。
その姿は地方によっても異なります。例えば、西日本では、酢飯の上に錦糸卵や海苔をチラシ、小さく切った高野豆腐、かんぴょう、海老などを具材にします。一方、東日本では、具材に生魚を使うちらし寿司が多く目にされます。
いずれにしても、育った地域で採れた野菜や山菜などを工夫し、海のものや山のものなど季節に応じた食材が使われているのが魅力ですよね。
例えば、家で大掃除をするとき。忙しいお母さんが、一度に色々な食材が食べられて、栄養もあるので、ちらし寿司が食事として出たというご家庭もあるのではないでしょうか?
または、お祝い事の席。ひな祭りにはちらし寿司を食べるご家庭も多いと思います。
レンコンや海老などの縁起の良い食材を用いて彩りよく。または、地元産の食材を使ったちらし寿司も。手軽でそして身近で、各家庭で工夫されながら、「からだにいいこと」が詰まった先人の知恵。
まさに「ちらし寿司」こそが、「完全栄養食」に近いものだったのです!
ちらし寿司の栄養素
とはいえ、昔の人たちはちらし寿司が、日本人に必要な栄養素を十分に含んでいる、などと考えて作っていたわけではないでしょう。
そこで、現代の科学的見地から、ゐざさで販売している「ばら寿司(四寸)」というちらし寿司の栄養素を分析してみました。
図1:当社のばら寿司(四寸)の栄養素含有量(※推定値)
たんぱく質、脂質、炭水化物に、ビタミン13種類、カリウム、カルシウムなどを、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(18歳以上、基準熱量2,200㎉)に基づき、1日分の基準値の3分の1の栄養成分値で比較してみました。
少し過不足はありますがどうでしょう?ほとんどの栄養素が十分現在の基準値を満たしていることがわかりますね。
先人の知恵はまさに「あっぱれ」!
これだと、無理せず、おいしく、楽しく、そして安心して食べれると思いませんか?
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回は「ちらし寿司は完全栄養食」だという観点から、ちらし寿司を解説しました。
先人の知恵、日本古来の食事のすばらしさを再発見する機会になりました。
ちなみに、ゐざさでは手軽にそして美味しく召し上がっていただける【冷凍】のちらし寿司(商品名:蒸し寿司4個入)をオンラインショップで販売しています。
ぜひ、こちらも一度お試しくださいね!
【監修】管理栄養士 餅美知子氏 元園田女子大学食物栄養学科 教授。公認スポーツ栄養士の資格も持ち、専門は、栄養教育論、公衆栄養学、スポーツ栄養学など。主な著作に、「健康づくりへのアプローチ」(文光堂)や「まるごと学ぶ食生活と健康づくり」(化学同人社)がある。